デ・トロフ製造所
ワンベークのデ・トロフ製造所にて
ブリュッセル郊外の牧歌的な田舎ワンベークの地にて、18世紀後半から代々続く家族（親族）経営のランビック醸造所です。
醸造所の建物や設備も大変古く、現在でも尚、さながら博物館的なこの建物・設備でビール造りが行われています。
仕込みの最中に居合わせると、石炭で釜を熱していたり、古風なベルトコンベアで瓶詰めが行われていたりと、
古びた機械から発せられる蒸気や音の凄さに、一体今自分は19世紀後半から20世紀前半のベルギーにいるのではないかと、おかしな感覚にとらわれてしまいます。
奥深い「シャポー・フルーツランビック」
建物の一角にある薄暗い貯蔵所では、650Ｌの木樽が所狭しと積まれており、手間ひまかけて仕込まれた1～3年物のランビックが静かに発酵・熟成を続けています。
ここに入るともうあのランビック特有の「馬の毛布」のような、酸っぱいような香りがどことなく漂っているのがわかります。
樽から直接のストレートランビックの味わいは、無炭酸で酸味が強烈、浮遊した澱なんかもあって少し濁ってますが、
なんとも旨味が豊富で、非常に豊かな味わいに感じられます。これにフルーツを加えればあの多彩な「シャポー・フルーツランビック」シリーズが出来上がる訳です。
これは表向きはカクテル感覚でカジュアルに楽しめるビールですが、実は神秘的で奥深い自然発酵ビールの世界から誕生したものなんですね。
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